ミネラルは人体の構成要素であり、代謝機能の維持や体組織の調節・強化など、
様々な働きで体の健康を保っています。
しかし、そんな大切なミネラルでも、不足しがちなミネラルがいくつかあります。
ここでは、どんなミネラルが不足しているのか、不足したときの不調、
ミネラル摂取のポイントなどを紹介します。
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目次
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ミネラルとはどんな栄養素?
ミネラルが不足するとどうなるの?
こんな人はミネラル不足かも
ミネラル摂取のススメ
ミネラルとはどんな栄養素?
ミネラルとは?
ミネラルとは?
ミネラルは五大栄養素の一つで、
人間の体を構成する要素として欠かせない存在
です。
ビタミンと同様、微量栄養素に分類され、体の発達や代謝機能を適切に維持するために必要な栄養素でもあります。
具体的にはどんなもの?
ミネラルは、生体を構成する主な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外の元素のことで、無機質ともいいます。
人間の体には「
必須ミネラル
」と呼ばれる16種類のミネラルが必要とされており、1日の必要量に応じて「
多量ミネラル(7種類)
」と「
微量ミネラル(9種類)
」に分けられます。
必須ミネラル
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多量ミネラル(7種類)
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カルシウム
リン
カリウム
硫黄
塩素
ナトリウム
マグネシウム
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微量ミネラル(9種類)
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鉄
亜鉛
銅
マンガン
クロム
ヨウ素
セレン
モリブデン
コバルト
なぜ必要なのか?
ミネラルにはそれぞれ大切な働きがあります。
主な役割は、
基礎代謝や新陳代謝、エネルギー代謝を促す、体の機能や組織を調節・強化し、心身のバランスを正常に保つ
などがあります。様々なミネラルの働きによって体の健康は保たれています。
代表的な働き
多量ミネラル(7種類)
カルシウム
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骨や歯をつくる、神経の興奮を抑える
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リン
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骨や歯をつくる、糖質の代謝を助ける
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カリウム
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血圧の上昇を抑える、利尿作用
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硫黄
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皮膚・髪の毛・爪などをつくる
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塩素
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胃液の成分となる、殺菌効果
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ナトリウム
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血液・体液の濃度を調整する、筋肉や神経の興奮を抑える
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マグネシウム
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骨や歯を強くする、酵素の働きを助ける、神経の興奮を抑える
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微量ミネラル(9種類)
鉄
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赤血球のヘモグロビンの成分となる
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亜鉛
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ホルモンの合成を活性化させる
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銅
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ヘモグロビンの生成を助ける
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マンガン
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骨や関節をつくる
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クロム
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糖や脂質の代謝を高める
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ヨウ素
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成長促進、基礎代謝を高める
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セレン
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抗酸化作用
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モリブデン
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肝臓や腎臓で老廃物を分解する
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コバルト
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血液をつくる
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ミネラルが不足するとどうなるの?
ミネラルは、体にとって必要不可欠な存在ですが、体内で作ることができない栄養素なので、常に食事で摂取する必要があります。
さらに、
ミネラルが不足してくると様々な体調不良を引き起こします
。
ミネラルが不足するとどのような不調があらわれるのでしょうか。
例えば、足がつりやすい、寝付きにくいという方は、
神経の興奮を抑えたり、筋肉の収縮を調整したりするマグネシウムが不足している可能性
があります。
他にも、体が疲れやすく、立ちくらみや目まいがする方は、鉄不足かもしれません。
鉄には体全体に酸素を運ぶ役割
があるので、不足するとこのような不調があらわれやすくなります。
慢性的な鉄不足になると、体がだるく、肌がくすみやすくなるため注意しましょう。
ミネラル不足は大きな問題ですが、摂りすぎてもいけません。
特に、ナトリウムを摂取しすぎると血圧が高くなる恐れがあります。
また、
リンを摂取しすぎるとカルシウムとのバランスが崩れてしまい、骨が弱くなる原因
となります。
過剰摂取を避けるためにも、偏った食生活を見直し、バランスの良い食事を心がけましょう。
こんな人はミネラル不足かも
最近、日常生活でこのような
お悩みはありませんか?
一つでも当てはまった人はミネラルが不足しているかもしれません。
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食欲がない
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体が冷えやすい
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イライラして
集中力がもたない
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めまいがする
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便秘がち
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骨や筋肉が
弱まってきた
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肩がこる
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むくみやすい
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頭が重たい
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肌が荒れやすい
不足しやすいミネラルとは?
次に、不足しやすいミネラルとして、カルシウム、マグネシウム、鉄について、不足する原因を説明していきます。
カルシウム
日本の自然環境として、国土のほとんどが火山灰地のため、国土に含まれるカルシウム量が多くありません。
その影響で、飲み水や野菜、果物に含まれるカルシウム量が海外よりも少ないため、日々の食生活で積極的にカルシウムを多く含む食品を摂る必要があります。
また、食の欧米化により、カルシウムを多く含む魚を食べる機会が減ったことも、カルシウム不足の要因の一つです。
マグネシウム
精神的ストレスなどでマグネシウムはどんどん尿から排出されてしまいます。
さらにカルシウムと同様、食の欧米化により偏った食生活が多くなり、マグネシウムを多く含む魚やひじき、わかめ、納豆などを積極的に食べる機会が減ったことも原因の一つといえます。
鉄
鉄不足の場合、食事から十分な鉄を摂取できていないことに加え、鉄の吸収を良くするビタミンCが不足していることも原因の一つとして挙げられます。
特に女性は、周期的に生理出血がある場合、1日あたり2mg程度の鉄を失ってしまいます。
成人男性で1日あたり約1mgの鉄分が、尿や汗として体外に出ていくとされているため、生理中の女性は鉄分不足に陥りやすくなります。
さらに、食べ物からの鉄分は吸収率が1割程度と低いため、鉄分の吸収率を高めるビタミンCを多く含む食品も一緒に食べるよう心がけましょう。
ミネラル摂取のススメ
ミネラルを多く含む食品とは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
次の表を見て、普段の食事でミネラルを摂取できているか確認してみましょう。
必須ミネラルを多く含む食品
多量ミネラル(7種類)
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カルシウム
干しエビ、水菜、厚揚げ 等
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リン
小魚、乳製品、大豆製品 等
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カリウム
昆布、大豆、ほうれん草、アボカド 等
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硫黄
にんにく、肉類、卵 等
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塩素
食塩、梅干し、しょうゆ 等
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ナトリウム
食塩、しょうゆ、味噌 等
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マグネシウム
アーモンド、カシューナッツ、納豆 等
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微量ミネラル(9種類)
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鉄
レバー、ひじき、厚揚げ 等
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亜鉛
牡蠣、牛もも肉、豚レバー 等
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銅
レバー、魚介類、ココア 等
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マンガン
抹茶、ごま、玄米 等
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クロム
ひじき、青のり、こしょう
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ヨウ素
海藻類、イワシ 等
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セレン
イワシ、ホタテ、カレイ
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モリブデン
落花生、枝豆、レバー
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コバルト
貝類、のり、煮干し
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ミネラル摂取のポイント
不足しがちなミネラルは吸収率を
高める栄養素も一緒に摂取!
カルシウム不足の時には、
カルシウムの吸収を高めるビタミンD、鉄不足の時には、鉄の吸収を高めるビタミンCを一緒に摂ることがおすすめ
です。
特にビタミンDは食事だけでなく、日光を浴びることで増やすことができるので、日中外に出てみるのも健康な体づくりの第一歩です。
豆類、海藻類、小魚類は理想的な食材
豆類や海藻類、小魚類などはミネラルを豊富に含む理想的な食材です。
普段の食事にひと手間加えて、ミネラル不足を予防しましょう!
おにぎりにプラス!
ちりめんじゃことおかか、だしの素と醤油を混ぜ合わせ、子どもも喜ぶじゃこおにぎり。
サラダにプラス!
普段のサラダに、砕いたアーモンドやカシューナッツを加え、カリカリ食感が楽しいナッツサラダが完成。
ハンバーグにプラス!
ハンバーグのたねにひじきを混ぜ込めば、子どもの好き嫌いもなく、栄養価もアップしたハンバーグに。
サプリメントでも補おう
食事だけでミネラルを補うのが難しい方は、サプリメントで不足したミネラルを補いましょう。
1種類で複数のミネラルを摂取できるサプリメント
もあるので、毎日手軽に栄養をプラスすることができます。
心身に不調を感じる方は食生活の見直しを!
ミネラルが豊富な食品を
バランスよく食事に取り入れる
ミネラルは人間の体づくりや健康を保つために不可欠な栄養素ですが、体内で作られないので食事から摂取する必要があります。
コンビニ食品やインスタント食品で簡単に食事を済ませることができる便利な時代ですが、それは健康とかけ離れた食事になっていないでしょうか。
また、もしいま見過ごしている体の不調があれば、そのままにしておくと大きな病気になりかねません。
自分がミネラル不足かもと思ったら、まずは今回紹介したミネラルを多く含む食品を意識して、毎日の食事に上手に取り入れることから始めましょう。