〜第2話〜腸内お掃除!食事の組み合わせで始める菌活習慣

家政夫の青菜(あおな)です。4人家族の小林家で家事のお手伝いをしています。今日は窓をピカピカにしてほしい、とお母様の佳恵(よしえ)さんからリクエストがございました。やはり、掃除はいいものですね。汚れが落ちると気持ちまでスッキリするではありませんか。それにしてもここ数日、長女春香(はるか)さんの浮かない表情が気になります。もしや、スッキリしないお悩みを抱えているのでは…

腸内お掃除!食事の組み合わせで始める菌活習慣

「ただいまー!」

元気な声を響かせてワタルが帰宅したかと思うと、ランドセルを廊下に放り投げるように置き、そのままの勢いでトイレへと駆け込んだ。

「元気が一番ですね」と微笑みながら、窓掃除も一段落した青菜がリモートワーク中の佳恵のためにコーヒーを淹れていると、つづけて春香も帰宅した。

「ただいま、青菜さん」

「お帰りなさい、春香さん。テストはいかがでしたか?」

「うん、まあまあ」と言うなり、そそくさと2階へ行ってしまった。

「あれ?どうしたんでしょう…」

どこか元気のない春香のことが気にかかりつつ、淹れ終えたコーヒーを手に階段を上がったところで、ちょうどトイレから出てきたその春香と鉢合わせした。

「青菜さん、助けて!」

青菜の姿を見た途端、春香が飛びつくようにやってきた。そして、先日からの「スッキリしない」悩みが溢れ出した。

その原因は「お通じ」だった。

中学校ではトイレに入りづらくて便意を我慢することがあるようだ。それがクセになってしまい、気づいたら数日間お通じがないのは当たり前になっていた。ひどいときには、1週間近く出ないこともある、と春香はつぶやいた。

「ずっとお腹が苦しくって。いまもトイレに入ってみたけど、ぜんぜんダメだった」

「これは、まずいですね」

お通じ改善には「菌活」を

「春香さん、朝ごはんはきちんと食べていますか?」

「ううん。朝起きるのが苦手だし、それに髪もちゃんと整えたいでしょ。だから、結局時間がなくなって、ここ1ヶ月は抜くことが多かったかも」

あくびをする春香

「では、間食にチョコやスナック菓子を食べていませんか?」

「うーん、食べちゃうこともあったけど、部活で体動かしているから平気かなって」

「太る太らないは別として、スナック菓子はお通じにはよくありませんね。便秘の改善には①適度な運動 ②規則正しい生活 ③バランスのよい食事、と言われてるんですよ」

「へー、そうなんだ!」

「便秘にお悩みでしたら、部活もいいですが、菌活をはじめてみませんか?」

「キンカツ?」

「毎日の食事の中から、腸の働きをサポートする“菌”を摂ることです」

「菌って言われても、バイ菌くらいしか浮かばないんだけど」

「ちょっと違いますね。たとえば、乳酸菌は聞いたことありませんか?」

「それなら知ってる!」

「そういったものを食事で摂ることが「菌活」です。ポイントは2つ。ひとつは、腸内でよい働きをする菌を摂ること。もうひとつは、腸内細菌のエサを摂ることです」

「なんだか難しそう…」

「そんなことはありませんよ。食事の組み合わせをちょっと意識するだけでいいんです。たとえばこんな感じです」

腸内環境を整える
組み合わせ

有用菌を届ける食材と有用菌を育てる食材

体に有益な菌を含む食材(左)と、
有益な菌のエサになる食材(右)を組み合わせることが大事

おすすめメニュー

味噌+きのこで作る
きのこの味噌汁

きのこの味噌汁

ヨーグルト+はちみつで作る
はちみつヨーグルト

はちみつヨーグルト

納豆+おくらで作る
おくら納豆

おくら納豆

「なんだ、食べたことあるものばっかり!組み合わせを考えればいいのね。ゲームみたいでおもしろそう!」

「ゲームと思ったら楽しめそうですよね。ただし、ここは佳恵さんの協力も必要になりますね」

そこに、仕事中の佳恵が、タイミングよく部屋から顔を出した。

「さっきからなんの話してるの?すぐ近くで声がするのに、青菜さんってば、いつまでたってもコーヒー持ってきてくれないんだもん」

「ねえ、ママ!菌活に協力して」

いきなりの聞き慣れない言葉に佳恵は目を丸くする。

「佳恵さん、突然すみません。春香さんがおっしゃりたいのは、便秘の改善法として、腸内環境を整える菌を食事の中で積極的に摂りたい、という意味です」

「え?それってヨーグルトを食べるとかってこと?わたしもお通じ改善になればと思って毎日食べてるけど、あんまり変化ないわよ」

「ヨーグルトだけじゃダメなの。はちみつとか、菌のエサになるものを一緒に食べるといいんだって。ママも悩んでるみたいだから、ほかにもお通じ改善の方法があれば教えてッ、青菜さん!」

「そうですね、ではとっても簡単で取り入れやすい方法を教えましょう。毎朝コップ1杯の水か白湯を飲んでください」

「え?たったそれだけ?ほんとに?それなら明日からでもできそう。ママ、2人でやってみようよ!」

「ほんとに効果あるの?まあ、だまされたと思ってやってみようかしら。ママは体を温めたいから、白湯にしてみるわ」

「いいですね。他にもまだありますよ。おやつを食べたくなったら、お菓子より果物です」

「お姉ちゃん、お菓子食べてるの、知ってるよ〜」

楽しげな様子に誘われてきたワタルが、突然会話に参加してきた。

「なによ、ワタルだってお菓子ばっかり食べてるくせに!」

「春香さん、大好きなお菓子を我慢するのは大変そうに思えますが、いいこともいっぱいあるんです。便秘が改善して腸の調子が整うと、肌荒れやニキビの改善、ダイエット効果だって期待できるんですよ」

その言葉に、春香だけでなく、佳恵も揃って表情を明るくした。

「じつは最近ニキビも気になってて…。便秘のせいだったのかな?」

「お年頃ということもありますが、便秘が原因になっている可能性もゼロではありませんね」

「許せない!便秘のやつめ!!」

「よし!春香、わたしもお腹スッキリさせたいし、これから一緒に朝の一杯&菌活をはじめましょう!」

「いいですね。あとは、レコーディングもしてみませんか?お通じがスムーズなときに、その前に摂った食事の内容をメモしておくんです。ご自身にピッタリの“お通じフード”を見つける手がかりになりますよ」

青菜さん

「これも、ゲームみたいで楽しそう!」

「お通じにいい食事は人によって違います。春香さん、佳恵さん、それぞれが食事内容とお通じのあった日をメモしながら、自分なりのお通じの傾向をつかんでみてください」

-それから2週間

「こうやって今日の予定とか、部活の話をしながら毎朝お水を飲むのも悪くないわね」

佳恵と春香は今朝もキッチンの前に並び、コップ1杯の水や白湯を飲んでいる。ここ最近の小林家の朝は、このシーンから始まる。

「はちみつをヨーグルトに入れてるんだけど、わたしにはそれがすごく合ってるみたい。腸が活発に動いている感じがするの。ママはどう?」

「ママはね、お味噌汁!きのこの入ったお味噌汁がこんなに合うなんて。お肌の調子もいいし、青菜さんにお礼を言わないとね」

「そうだね。パパは便秘とは無縁だけど、おくらと納豆の組み合わせが気に入ってるみたいよ。ますます快便になっちゃうんじゃない?あははは」

「快便、いいじゃない!健康は、ほんとに大事なのよ。だからこそ心配なのがワタルよ。にんじんとかピーマンとか苦手な野菜が多くって…」

「まだ小一になったばっかりだし、しょうがないんじゃない?」

「そうかしら。春香は好き嫌いがなかったから、ぜんぜん苦労しなかったけど。あの子の偏食、どうにかならないかしらねえ」

リビングの窓のそばでは、ムギが毛づくろいをしながら、ゆったりとあくびをしている。佳恵の心配をよそに、ムギにつられたのか、ワタルも大きなあくびをしているのだった。

監修者

齋藤亜紀子

管理栄養士/自然療法士(ナチュロパス)
日本の病院で臨床での栄養指導経験を経て、未病・予防領域に興味を持ちオーストラリアにて自然療法士の資格を取得。食事だけでなく、心と身体のトータルケアを楽しんで行うことにより、もっと健康な人を増やせるよう、健康情報の紙面監修やレシピ開発など精力的に活動中。

イラストレーション

ボブa.k.aえんちゃん