いつまでも健康的に長生きするために!
正しい歯磨き習慣
2024.11.18
注目のヘルスケア
毎日歯を磨いているのに、虫歯や歯周病になってしまうことってありますよね。それは、歯磨きの仕方が間違っているからかもしれません。
お口の中を清潔に保つことは歯や歯茎の健康を守るだけでなく、カラダの健康維持にもつながります。口腔内で増殖した悪玉菌は、歯茎の毛細血管を経由して血管に入り、糖尿病や認知症などを悪化させることがあります。しかし、適切な歯磨きにより悪玉菌は減らせます。
正しい歯磨き法で効率よく汚れを落として、健康なお口とカラダを維持しましょう。また、3カ月に1回程度は、歯科医院で検診を受けることをおすすめします。


歯科医・歯学博士・東京医科歯科大学非常勤講師・顎顔面補綴(がくがんめんほてつ)外来
日本大学歯学部卒業、同大学院歯学研究科にて博士号取得。歯科クリニックにて診療を続ける傍ら、メディアへの出演や『新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)など書籍の執筆を行っている。
こんな歯磨きの習慣ありませんか?

ひとつでも当てはまったら歯をきちんと磨けていないかも!
【正しい歯磨き習慣1】寝る前にしっかり歯を磨く

食べかすが口の中に残ると、細菌が増殖します。その後4〜12時間ほどで、細菌同士が結びつき歯垢になります。さらに2日ほど放置し続けると歯石となり、自分では除去できなくなります。それを防ぐために最低限必要な方法が、寝る前に歯の汚れをしっかり落とすことなのです。

【正しい歯磨き習慣2】歯ブラシを正しく使う
意外と知らない、歯ブラシの正しい使い方。間違った習慣が身についていると、歯を磨いても汚れが落ちていなかったり、歯茎を痛めてしまうことも。正しい使い方を確認しましょう。
歯ブラシは1カ月に1回交換

歯ブラシは毛先が開くと、きれいに歯を磨けなくなるため、定期的に交換しましょう。
歯ブラシの持ち方は鉛筆と一緒

力を入れずに歯を磨けるよう、軽く持つ。しっかり握ると力が強くなり、歯や歯茎を傷めるので注意。
ブラシを歯に当てて2~3mm幅で小刻みに動かす

シャカシャカと音を立てて歯を磨いているのは力が入り、細かなところが磨けていない証拠。一方、歯ブラシを小刻みにやさしく動かすと、歯間の汚れをかきだしやすくなります。
【正しい歯磨き習慣3】場所により歯の磨き方を変える
いくら時間をかけて歯を磨いても、表面ばかり磨いては隙間の汚れは落ちません。汚れが溜まりやすい場所を知り、それに合わせた磨き方を身につけましょう。
「歯の根元 」は45度の角度で

磨き残しがちな歯の根元は、汚れを放置すると歯周病の一因に。歯ブラシを斜めに傾けて磨くことで、歯肉までしっかり磨けます。
「奥歯」は歯ブラシの先を使う

磨きにくい奥歯。口を軽く閉じると歯ブラシが歯の奥まで届きます。そのまま、先の部分を使って磨きましょう。
「前歯の裏」はブラシの先を立てながら

意外に磨き忘れがちなのが前歯の裏側。歯ブラシを立てて持ち、〇で囲ったブラシの部分を、歯の根元から歯の先まで当てて磨きましょう。
「歯並びの悪いところ」は立て磨きで

歯並びが悪い、または歯の隙間があるところは、歯ブラシを立てて持ち、歯の凸凹に沿ってやさしく上下に動かして磨きましょう。
【正しい歯磨き習慣4】フロスや歯間ブラシを使う
どんなに丁寧に歯ブラシで磨いても、汚れを落としきれないのが歯の隙間。寝ている間に歯周病菌などの悪い菌が増えるのを防ぐため、寝る前は、歯ブラシの前にフロスや歯間ブラシを使いましょう。
歯の間隔が狭い箇所には「フロス」

糸巻きタイプ(左)とホルダータイプ(中、右)があります。
※ホルダータイプは、手の力がかかりやすいため、歯茎を傷つけないようご注意ください。
【フロスの動かし方】
フロスを歯の隙間の下まで通し、歯のカーブに沿って、乾布摩擦のようにやさしく丁寧に動かす。

歯間の広がった箇所には「歯間ブラシ」

I字型(左)とL字型(右)があります。
【歯間ブラシの動かし方】
歯の根元の隙間に入れて前後に動かす。ブラシが太いため、上下には動かしません。

【番外編】新しいお手入れ方法も!
ジェット水流できれいに!「口腔洗浄器」

手軽にお手入れをしたい方は口腔洗浄器を併用するのもおすすめ。水流で歯の表面や歯の隙間、根元に残った食べかすを落とせます。