肌を想うように、心も想う。
コラリッチ オードトワレ5つの物語❷
軽やかなシトラスハーブの香りとともに、新しい一歩を
東京都在住・水地智美さん(仮名・46歳)さんの場合
「待ちに待った仕事復帰のはずが、憂鬱に変わるとき」
私は都内の食品メーカーで働きながら16歳の息子と夫の3人で暮らしている。息子が小学校を卒業するタイミングで、自分の時間を自由に使ってみようとフルタイムで働ける仕事を探して転職した。あれから3年半が過ぎ、息子は高校生になった。仕事にも慣れて順調に……と、言いたいところだが、実はいまの会社の環境にまったく馴染めていない。
思い返せば、転職先を探すのには苦労した。新卒で外食産業に就職し、結婚。30歳目前に妊娠。産休・育休をもらった。緊張しながら1年で職場復帰するも、なかなか育児と仕事の両立は難しかった。子どもの風邪や夜泣きに向き合いながら、ほかのママたちはどうやって仕事をしているのだろうと、いま思い返しても不思議でしょうがない。結局、夫と相談してフルタイムの仕事を辞めて家事育児中心の生活にシフトしながら、知り合いの会社でアルバイト程度に働かせてもらっていた。
その後、満を持して仕事復帰するぞ!と意気込みながら就職活動をするも、40代半ばの女性を雇ってくれる会社はそう多くはない。「応募資格35歳の壁」はわかっていたつもりではあるものの、それなりにダメージを受けた。
「あぁ、社会はわりとママに厳しいんだ」と、自分の才能ややる気はいったん横に置いて「頑張って子育てしてきた女性に対するやさしさはないのか!」と少し憤ったりもして。それでも残りの人生を考えて、仕事に生きてみたいと強く思い直し、内定を勝ち取ったのが今の会社だ。雇ってくれることに感謝したし、後半生を捧げる覚悟もした。
初出勤の日、「今日から仕事に行ける!」と心が弾んだ。会社に必要な人材だと思ってもらえるよう、そしてブランクを感じさせないように毎日精一杯働いた。そうやってどう評価されているのだろうと上司の目が気になりだしたら、失敗を押し付ける同僚が気になりだし、社歴が長いというだけでマウンティングをしてくる後輩たちの声が耳に届きだし……。1年経った頃には人間関係にうんざりし、ストレスを感じるばかりに。思い描いていた仕事復帰とまったく違うと気づいたのは最近で、本当に今の仕事で良いのだろうかとも思いはじめていた。
「爽やかな香りとの出会いが、きっかけに」
今朝も「また今日も仕事だ……」と、憂鬱に思いながら会社に着くと、隣に座る後輩の席から爽やかでフレッシュな香りがした。ハンドクリームのようだったけれど「それ、何の香り?」と珍しく自分から話しかけていた。心の中で“マウンティングガール”と呼んでいる後輩に、だ。
聞くと、シトラスとハーブの香りのするものと教えてくれた。スーッとした爽やかな香りに、思わず気持ちが和んだ。"これが私の好きな香りなんだ"と心にメモをし、深呼吸をした。
冷静になってみたら、心にフィルターをかけてしまっていたのは自分なのかもしれない。会社で早く認められたい一心で、職場の人に対して偏った見方をし、さりげないひと言をその意味以上にネガティブに受け取っていたのかもしれない。落ち着いて考えたら、そこまでじゃなかったのかもと、思えてきたら、マウンティングガールが爽やか系モテ後輩に一変!
腑に落ちた途端、今日はお金もカロリーも制限をつけずにランチにでも誘おう!と、心に誓った。
キューサイの商品開発者が解説!
シトラスハーブの香りが私たちにもたらすもの
取材・文/
Sahoko Seki
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