肌のハリを保つお手軽ケア方法とは?おすすめの食べ物やハリがなくなる原因についても解説

肌のハリが失われると、たるみやシワなどのエイジングサインが目立つようになります。若々しい印象を保つためには、肌のハリを維持することが大切です。

年齢を重ねると肌のハリは衰える傾向にありますが、しっかりとお手入れすることで、年齢に応じたハリを保った状態へと導きます。

この記事では、ハリが不足する原因、肌のハリを保つためのお手入れ方法、おすすめの食べ物を紹介します。手軽にできるケアばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。

肌のハリとは?ハリがなくなるとどうなる?

ハリのある肌のイメージ

ハリのある肌は、肌にうるおいがあり、たるみ・シワ・肌荒れなどがない状態で、触ると押し返すような弾力と柔らかさがあります。反対に、肌のハリがなくなると、実年齢よりも老けた印象になります。

肌のハリは、皮膚組織の深い部分にある「真皮」と呼ばれる部分に存在している「コラーゲン」や「エラスチン」の働きによって作られています。

どちらも繊維状のタンパク質で、コラーゲンは真皮の大部分を構成し、皮膚の形や潤い、ハリを整え、エラスチンはコラーゲン同士を結びつけ弾力を生み出します。

肌のハリが不足する原因とは?

コラーゲンやエラスチンの減少

肌のハリが不足する原因は、コラーゲンやエラスチンの減少です。減少により、肌の土台がゆるみハリが失われ、たるみ・シワ・キメの乱れ・毛穴の開きなどのエイジングサインがあらわれます。その結果、若々しく健康的な印象が失われます。

コラーゲン・エラスチンが減少する原因のひとつが紫外線です。紫外線を浴びると体内に「活性酸素」が発生します。活性酸素は、肌のハリ・弾力に欠かせないコラーゲンやエラスチンの分解を促進する作用を持つ物質です。そのため、紫外線を大量に浴び続けると、活性酸素が過剰になり、肌に含まれるコラーゲンやエラスチンが減少し、ハリが低下してしまう恐れがあります。

紫外線は1年を通して降り注ぐうえに、地面やほこりなどあらゆるものに反射し、特にUVAは窓ガラスを通過して部屋のなかにも入り込みます。日常生活では常に紫外線を浴びる可能性があり、ハリを保つためには紫外線対策が必須です。

肌の模式図

表情筋の衰え

「表情筋」とは、顔の皮膚の下にあり、伸び縮みすることで表情をつくる筋肉の総称です。人間の顔には30種類以上の筋肉が存在しています。表情を動かすだけではなく、顔の皮膚を支える役割も担っています。

表情筋が衰えると、皮膚を支えきれなくなり重力に負け下がってきて、ハリがなくなってしまいます。

近年、スマートフォンを使う時間が増えたことによって人との直接のコミュニケーション機会が減少したことや、長時間にわたるマスクの着用などによって、表情筋を動かす機会が減少傾向にあります。表情筋を動かす機会が減ると、年齢が若くても筋肉がやせてハリが失われやすくなるので、要注意です。

「最近あまり笑わなくなった」「滑舌が悪くなった」「舌を噛んでしまうことが増えた」といった変化を感じている方は、表情筋が衰えハリが不足しているかもしれません。

女性の顔のイメージ

肌のターンオーバーの乱れ

「ターンオーバー」とは、表皮の新陳代謝を指し、肌細胞が一定の周期で生まれ変わるプロセスのことです。

皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの組織にわかれています。さらに表皮は下の方から、基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角質層(かくしつそう)」にわかれています。

ターンオーバーは表皮で起きる現象で、基底層で発生した細胞は形を変えながら表皮に押し上げられます。角質層に到達した細胞は一定の期間が過ぎると、自然にアカとしてはがれ落ちます。

ターンオーバーの一般的な周期は約28日です。ターンオーバーが乱れ、周期が短くなりすぎると、細胞が充分に成長しないまま角質層に達します。未成熟な角質細胞は、うるおいを保つ力が弱く、乾燥とハリの低下の原因となります。

ターンオーバーが乱れてしまう原因は様々です。精神的なストレスや、生活習慣の乱れ、間違ったスキンケアなどが挙げられます。例えば睡眠が足りていないと感じる場合には、十分な睡眠時間を確保するなどの改善に努めましょう。

肌の構造のインメージ

肌の乾燥による影響

肌の乾燥も、ハリが失われる原因の1つです。皮膚には、うるおいを保つ機能と紫外線・アレルギー物質・細菌などから肌を守る「バリア機能」がありますが、乾燥するとこれらの機能は低下してしまいます。その結果、ハリが低下します。さらに、紫外線の影響を受けやすくなります。

肌が乾燥する主な原因は、下記の通りです。

  • 水を飲む量・頻度が少なく、身体の水分が不足している
  • 部屋の湿度が低い
  • ゴシゴシ肌を擦って洗顔する、保湿が不充分など間違ったスキンケアをしている
肌の乾燥のイメージ

栄養不足

外食やインスタント食品を食べる頻度が高いなど、栄養バランスの悪い食生活を続けていると、肌の材料となるタンパク質、肌の調子を整える作用のあるビタミン・ミネラルが不足しがちになり、肌のハリが失われてしまいます。

食事で充分な量のビタミンやミネラルを摂取できない場合は、サプリメントを活用し、必要な栄養をしっかり補いましょう。

また特定の食品をとりすぎるなどの偏った食事内容も、ハリが低下する原因です。なかでも、お米・パンや麺など穀類を加工した食品・お菓子・フルーツなど糖質を多く含む食品の食べすぎには要注意です。

身体のなかの糖分があまってタンパク質と結びつく「糖化反応」が起きることで、肌にハリや弾力を与えるコラーゲンやエラスチンが硬くなり、ハリが低下する恐れがあります。

食事のイメージ

【年代別】肌のハリに関するお悩み

20代 肌のハリに関するお悩み

20代の悩みのイメージ

20代後半になると、10代・20代前半と比べて肌のハリ不足が気になり始めます。20代で肌がたるむ主な原因は、表情筋が衰えている・肌に負担のかかるお手入れをしている・肌が乾燥していることの3つです。

表情筋が衰えている
鏡で顔を見たときに、口角が下がっている方は表情筋が衰えている場合があります。無表情でいる時間が長いと表情筋が衰えてしまうので、表情筋を動かすよう意識して鍛えましょう。
肌に負担のかかるお手入れをしている
マッサージやローラー式の美顔器などで肌を強く押しすぎると、肌に負担がかかり、ハリの低下を招きます。負担がかからないように、力を入れずに優しくお手入れをしましょう。
肌が乾燥している
これから年齢を重ねていくにつれて、肌のうるおいは少しずつ減少していきます。乾燥が気になり始めた方には、保湿力の高い美容成分を配合しているスキンケアアイテムがおすすめです。

30代 肌のハリに関するお悩み

30代の悩みのイメージ

「セラミド」は年齢を重ねるにつれて減少していきますが、30代になると表皮の角質層に存在するセラミドの減少がより進むといわれています。セラミドは、肌のうるおいを保つ作用を持つ成分です。

肌に充分なうるおいがないとバリア機能が充分に発揮されないため、セラミドが減少すると、乾燥が進んだり紫外線によるダメージなどの影響を受けたりして、肌のハリが低下してしまいます。

さらに、汗腺や皮脂腺の働きが低下するため、10代・20代の頃と比べて、肌の水分・油分が減少してきます。これにより、肌のバリア機能が弱まりハリが失われるため、水分と油分のバランスを整える化粧品を使用しましょう。

30代でハリ不足を感じている場合、セラミドを配合したスキンケアアイテムを使うと乾燥やハリ不足に効果的です。

40代 肌のハリに関するお悩み

40代の悩みのイメージ

40代になると、肌のハリや弾力のもととなるコラーゲンやエラスチンが減少し始めたり、皮膚を支えている表情筋の筋力低下が起こりやすくなるため、ハリが衰えてしまいます。

コラーゲンが減少する原因の1つが、ホルモンバランスの変化です。代表的な女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があります。

エストロゲンは、ハリのある肌に重要なコラーゲンの分泌を促す成分です。月経が終わった後から排卵前にかけて分泌量が増えます。

40代になると閉経が近づき、エストロゲンの分泌量が減ってしまいます。それに伴い、肌のコラーゲン量が少なくなり、ハリ不足の原因となります。

50代 肌のハリに関するお悩み

50代の悩みのイメージ

50代になると、肌表面の変化にとどまらず、筋肉や脂肪層の質や機能の衰えが見られるようになります。筋肉や脂肪は皮膚を支える土台です。土台が崩れることで、肌のハリは大幅に低下します。

さらに、ターンオーバーの周期は年齢を重ねるにつれ長くなります。20代は約28日周期ですが、50代は45日周期です。

ターンオーバーの周期が長いと、本来は自然と剥がれ落ちるはずの古い細胞(角質)が長く残り続けることになります。それが積み重なり、厚みがますことを「角質肥厚」と呼びます。「角質肥厚」は肌の乾燥に繋がり、肌の乾燥は、ハリの低下に繋がってしまいます。

肌のハリを保つおすすめケア方法

表情筋のトレーニング

皮膚を支える表情筋のトレーニングは、ハリの改善に効果的です。今すぐ実践できる簡単トレーニングを紹介します。

表情筋のイメージ
  • 「あ」の形に口を開ける

    左右どちらかの頬の筋肉を手でつかみ、口を「あ」の形に大きく開け、3秒間キープします。

    「あ」の形のイラスト
  • 「い」の形に口を開ける

    「い」と発音するときのように口を大きく横に広げ、
    3秒間キープします。

    「い」の形のイラスト
  • 「う」の形に口を開ける

    「う」と発音するときのように唇をとがらせて
    前に強く突き出し、3秒間キープします。

    「う」の形のイラスト
  • 左右10回ずつ繰り返す

    ①~③を10回繰り返したら、
    逆側の頬の筋肉をつかみ、
    ①~③を10回繰り返します。

紫外線対策

肌のハリを保つには、UV対策アイテムを使うと効果的です。

地表に届く紫外線には、肌表面にハリの低下にも繋がるダメージを与えてしまう「UV-B」と、肌の奥に入り込み、コラーゲンを破壊することでハリ低下の原因となる「UV-A」があります。日焼け止めは、UV-Bを防止する効果をあらわす「SPF」とUV-Aを防止する「PA」、どちらの値も高いものがおすすめです。

UV対策は、曇りの日や屋内でも必須です。UV-Aは波長が長いため、雲や窓ガラスを通過する性質があります。

日焼け止めは時間の経過とともに、汗などで落ちてしまうため、日常生活では2〜3時間ごとに塗り直しましょう。メイク直しの際に日焼け止めスプレーを使うようにすると、UV対策を補強できます。紫外線が直に降り注ぐ屋外にいるときは、日傘やサングラスを併用すると効果的です。

紫外線対策のイメージ

乾燥対策

正しい方法でスキンケアや保湿をすることで、肌のうるおいを保ち、ハリを与えられます。おすすめのスキンケアの手順とコツを紹介するので、お手入れの参考にしてください。

スキンケアと保湿のイメージ
  • メイク落とし

    メイク落としのイラスト
  • 洗顔

    洗顔フォームのイラスト
  • 化粧水

    化粧水のイラスト
  • 乳液orクリーム

    乳液・クリームのイラスト

下記のような高保湿成分やハリ対策成分を配合したスキンケアアイテムを選ぶことで、より効果的にお手入れできます。

高保湿成分
コラーゲン・セラミド・ヒアルロン酸・エラスチンなど
ハリ対策成分
ナイアシンアミド・レチノール・ビタミンC誘導体など

正しい食生活

正しい食生活は、糖化や肌の乾燥などを防ぐために非常に重要です。特に大切なポイントを下記にまとめました。

規則正しい食生活をする
食生活を整える基本は、毎日3食決まった時間に食事をとることです。必要な栄養を補給でき、生活リズムも整います。
早食いや暴飲暴食をしない
早食いや暴飲暴食は肌に悪影響を及ぼします。食事を取る際は、適度な量をよく噛んでゆっくり食べるよう意識しましょう。
水分を補給する
乾燥対策を防ぐために、こまめに水分をとりましょう。1時間ごとに水分をとることで、身体の中のうるおいを保てます。
栄養バランスに気を配る
バランスよく栄養をとることで、肌の調子が整います。特に、タンパク質・鉄分・ビタミンC・ビタミンA・ビタミンEは積極的にとりましょう。忙しくてバランスのとれた食事を用意できない場合は、不足しがちな栄養を配合したサプリメントやドリンクもおすすめです。
正しい食生活のイメージ

その他の対策(規則正しい生活習慣) 

規則正しい生活習慣を送ることで、肌の調子が整いハリの改善につながります。特に睡眠・運動は、肌への影響が大きいため、しっかり対策しましょう。

睡眠
睡眠不足は肌に悪いので、最低でも6時間は寝るようにします。快眠のためには、毎日同じ時間に就寝するのも重要です。また、スマートフォンやパソコンのディスプレイなどの強い光は、寝つきの悪さや眠りの浅さの原因となります。寝る1時間前くらいからは、使用を控えるようにしましょう。
運動
運動で血行を促進することにより、肌に必要な栄養素が届きやすくなり、ハリの改善につながります。20分ほどの軽いウォーキングからはじめると、無理なく続けられます。運動の時間を取れない場合は、早歩きや階段の使用など日常生活のなかで身体を動かすようにしましょう。
運動のイメージ

肌のハリにおすすめの成分・食べ物

タンパク質

タンパク質食品のイメージ

タンパク質は、身体を構成する細胞の原料で、肌やコラーゲンのもととなる成分です。さらに代謝と関係する酵素・ホルモン・免疫体などをつくる働きもあります。しっかりタンパク質をとることで、ターンオーバーを促し、ハリのある若々しい肌に整える効果が期待できます。

コラーゲンは30歳頃をピークに年を重ねるにつれ減少していくので、タンパク質を積極的に摂取しましょう。

タンパク質を多く含む食品は、大豆・魚・鶏肉・牛乳・卵などです。

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鉄分

鉄分のイメージ

鉄分には、酸素と二酸化炭素を運搬する「赤血球」を生成したり、酸素を運搬したりすることで、肌を若々しく保つ役割があります。

鉄分が不足すると、新鮮な酸素が充分にいきわたらなくなり、コラーゲンやヒアルロン酸が減少し、肌のハリがなくなってしまいます。

特に月経によって毎月たくさんの鉄分を失う女性は、積極的に鉄分を補給しましょう。鉄分を多く含む食品には、レバーや牛もも等の赤身肉・かつお・まぐろなどがあります。

ビタミンC

ビタミンCのイメージ

ビタミンCには、肌の老化の原因となる酸化を防ぐ作用があります。体内でコラーゲンの合成をサポートする作用もあるので、コラーゲン不足によるハリの低下には特に効果的です。

また、免疫力の向上やストレスを和らげる作用があり、健康維持のために大切な栄養素です。ビタミンCは、アセロラ・パプリカ・キウイ・ブロッコリーなどに多く含まれます。

ビタミンA

ビタミンAのイメージ

ビタミンAは、抗酸化作用や肌・粘膜を正常に保つ作用がある栄養素です。代謝を促進し、肌のターンオーバーを活発化する働きもあり、健やかな肌を保つのには欠かせません。

ニンジンやほうれん草といった緑黄色野菜、レバーなどの動物由来の食品に多く含まれています。油に溶ける性質があるため、油炒めにするなど油と一緒に摂取すると吸収されやすくなります。

ビタミンE

ビタミンEのイメージ

ビタミンEは、筋肉や肝臓などの細胞膜に存在し、健康状態を整える役割を担っています。抗酸化作用と血流促進効果があり、肌のハリや若々しさを保つのに役立つ栄養素です。高い抗酸化力から、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。

アーモンド、カボチャ、めかじき、アボカドなどに多く含まれていて、β-カロテンやビタミンCといった他の抗酸化作用のある栄養素と一緒に摂取すると効果が高まることが期待されます。

肌のハリを保つうえで、好ましくない食べ物

糖質や脂質を多く含むお菓子

お菓子類の多くは、糖質をたくさん含んでいます。定期的に食べていると、糖質の過剰摂取によって肌の老化が進んでしまうかもしれません。

糖質をとりすぎると糖化反応が起こり、肌のハリが低下し、シワやたるみといったエイジングサインが出ます。

また、お菓子は脂質も多く含んでいるため、食べすぎると皮脂の分泌が過剰になり、肌荒れなどが起きる場合もあります。お菓子を完全にやめる必要はありませんが、食べる量や頻度には注意しましょう。

お菓子のイメージ

カフェインなど、刺激物の過剰摂取

カフェインや香辛料といった刺激の強い飲食物をとると、皮脂が過剰に分泌され、肌荒れや肌のてかりといった肌トラブルの原因になります。

さらに、カフェインには「利尿作用」があります。利尿作用とは、尿の量を増やし排尿を促す作用のことです。

適度な利尿作用はむくみの解消などにつながりますが、毎日カフェインを含む飲み物を飲み続けると、尿の量が多くなりすぎ、身体の水分が不足してしまいます。その結果、肌が乾燥して、ハリが低下する可能性があります。

カフェインのイメージ

まとめ

美容のイメージ

年齢を重ねるにつれ、肌のハリが低下し、たるみ・シワなどが出てしまいます。ハリが低下する主な原因は、表情筋の衰え、紫外線の影響によるコラーゲン・エラスチンの減少などです。

ハリを保つには、年齢に合わせたお手入れをする・紫外線対策をするなどの方法が効果的です。

また、食生活などの生活習慣も肌のハリと深く関係します。タンパク質・鉄分・ビタミンCなど肌に良い成分を豊富に含む食べ物を積極的にとるようにしましょう。

この記事の監修者

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並木まき


一般社団法人 時短美容協会代表理事。
時短美容家として単なる省略ではなく個々の肌状態や体調に合わせた時短美容メソッドを提唱。
女性誌にて数多く連載も執筆。
元市議会議員でもあり美容をいかした福祉の取り組みにも注力している。
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