たんぱく質は、三大栄養素の1つとして人間の筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などをつくる栄養素です。
不足すると、細菌やウイルスに感染しやすくなる、代謝が悪くなるなど、様々な不調を起こす可能性があります。
そこで、1日に必要なたんぱく質の摂取目安から、良質なたんぱく質を含むおすすめの食品までを紹介します。
たんぱく質は、三大栄養素の1つとして人間の筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などをつくる栄養素です。
不足すると、細菌やウイルスに感染しやすくなる、代謝が悪くなるなど、様々な不調を起こす可能性があります。
そこで、1日に必要なたんぱく質の摂取目安から、良質なたんぱく質を含むおすすめの食品までを紹介します。
たんぱく質とは、
三大栄養素の1つとして人間の筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などをつくる栄養素
です。
20種類のアミノ酸から構成されています。
人間がたんぱく質を摂取すると、体内でアミノ酸に分解されます。
分解されたアミノ酸は、体内で必要なたんぱく質(酵素やホルモン、ヘモグロビンなど)に作り替えられ、様々な役割を担っています
。
そのため不足すると、皮膚や髪が衰えてくる、細菌やウイルスに感染しやすくなる、代謝が悪くなるなど、様々な不調を起こす可能性があります。
皮膚・毛髪・爪
骨・歯・筋肉
血管
血液
内臓(肝臓・胃腸など)
酵素
ホルモン
抗体
日本人の食事摂取基準によると、たんぱく質の摂取推奨量は、18歳~64歳までの男性が1日あたり65g、18歳以上の女性が1日あたり50gとされています。
65歳以上の高齢者(特に75歳以上)は、加齢に伴い身体活動量が大きく低下した方や、必要エネルギー摂取量が低い方の場合、フレイル
※
予防の目的として
推奨量以上のたんぱく質を摂取
することが望ましいとされています。
※フレイル・・・健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指します。
性別 | 男性 | 女性 |
年齢等 | 推奨量(g/日) | |
1~2歳 | 20g | 20g |
3~5歳 | 25g | 25g |
6~7歳 | 30g | 30g |
8~9歳 | 40g | 40g |
10~11歳 | 45g | 50g |
12~14歳 | 60g | 55g |
15~17歳 | 65g | 55g |
18~64歳 | 65g | 50g |
65歳以上 | 60g | 50g |
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)
たんぱく質には、大きく分けて植物性と動物性の2種類があります。
植物性たんぱく質は、植物性の食べ物に含有されているたんぱく質のことで、納豆や豆腐などの大豆製品に多く含まれています。
植物性の大豆たんぱく質なら、
ポリフェノールの一種であるイソフラボンや食物繊維が同時に摂取できる
ため、とりわけ女性に人気です。
また、植物性たんぱく質の方が動物性よりもカロリーの低い食品も多く存在します。
動物性たんぱく質は、動物性の食べ物に含まれるたんぱく質のことです。
肉や魚介、卵や乳製品などに豊富で、必須アミノ酸が多いのが特長
です。特にロイシンの含有率が高いので、カラダづくりには欠かせません。
このように、植物性・動物性のたんぱく質には、それぞれ異なる特長があります。
納豆や豆腐などの大豆製品に豊富
大豆たんぱく質からはポリフェノール(イソフラボン)、食物繊維を一緒に摂ることができる
動物性よりカロリーが低い食品がある
脂質の含有量が少ない
肉・魚・卵・乳製品などに豊富
必須アミノ酸をバランスよく含む
植物性に比べて、必須アミノ酸の含有量が多い
カラダづくりに欠かせないアミノ酸・ロイシンの含有率が高い
たんぱく質の摂取量は1日単位だけではなく1食単位でも考え、毎食しっかり摂ることも大切です。
たんぱく質摂取による筋肉合成には上限があるため、一度に十分な量を超えて摂っても合成が続くわけではありません。
たんぱく質の食べ溜めはできないので、3食しっかりとたんぱく質を摂取する必要
があり、朝食でのたんぱく質摂取はとりわけ重要です。
朝食を食べない方、朝食はパンやご飯、シリアルだけでたんぱく質を摂れていない方は、たんぱく質不足になりやすいため注意しましょう。
前日の夕飯で摂ったたんぱく質も睡眠時には吸収され、朝の空腹時にはたんぱく質が不足している状態です。
だからこそ、
朝からバランスの良い食事を意識し、不足したたんぱく質を十分に補うことが大切
です。
運動やトレーニングを行った後もたんぱく質が不足しやすくなっています。
運動後はエネルギーの消費はもちろん、体内では筋肉の修復も行われるため、たんぱく質を欲している状態です。
特に運動後45分以内は、体内のアミノ酸がたんぱく質に作り替えられ、筋肉を形成する時間
だといわれています。
エネルギーや栄養を多く消費した運動の後に、何も食べない状態が続くと体内で飢餓状態を起こしてしまうため、運動後はたんぱく質を含むバランスの良い食事をしっかりと摂ることを意識しましょう。
たんぱく質は普段の食事からバランスよく摂ることが大切だとわかりましたが、食品の中には良質なたんぱく質を含む食品がいくつかあります。
日々の生活で効率的にたんぱく質を摂取する
ために、良質なたんぱく質を含む食品とはどういったものなのか見ていきましょう。
最初に説明したとおり、たんぱく質は20種類のアミノ酸からつくられます。
20種類のアミノ酸のうち、健康に不可欠で人間の体内では生成できない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。
良質なたんぱく質とは、
9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるたんぱく質
のことをいいます。
必須アミノ酸がバランスよく含まれていることで、体内で効率的かつ充分な量のたんぱく質を利用することができます。
「良質なたんぱく質である」と判断するためには、「アミノ酸スコア」という指標を確認します。
アミノ酸スコアが100に近いものほど9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいる
、つまり良質なたんぱく質だといえます。
それでは実際に、良質なたんぱく質を含む食品にはどのようなものがあるのか、代表的な食品を植物性たんぱく質と動物性たんぱく質に分けて紹介します。
食品名 | アミノ酸スコア | |
---|---|---|
大豆 |
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100 |
豆腐 |
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100 |
豆乳 |
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100 |
枝豆 |
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100 |
ブロッコリー |
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85 |
グリーンピース |
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84 |
にら |
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83 |
かぼちゃ |
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79 |
じゃがいも |
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73 |
精白米 |
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61 |
食品名 | アミノ酸スコア | |
---|---|---|
豚肉 |
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100 |
牛肉 |
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100 |
鶏肉 |
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100 |
あじ |
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100 |
さんま |
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100 |
いわし |
![]() |
100 |
鮭 |
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100 |
鶏卵 |
![]() |
100 |
牛乳 |
![]() |
100 |
出典:アミノ酸スコアブックLuvtelli
表を見てみると、植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質の方が、比較的アミノ酸スコアは高く、良質なたんぱく質であることがわかります。
しかし、牛や豚の赤身肉からのたんぱく質摂取が多いと糖尿病のリスクが上昇するとの報告
※1
があります。
一方で、植物性たんぱく質の摂取量が多いと心血管疾患リスクが低くなるという研究結果
※2
も出ています。
つまり、「たんぱく質なら何でも摂ればいい」というわけではなく、良質なたんぱく質を選び、
動物性、植物性、どちらのたんぱく質もバランスよく摂取
することが、健康的な体づくりに最も望ましいといえます。
良質なたんぱく質を含む食品を
たんぱく質は、人間の筋肉や臓器、皮膚や髪の毛をつくるなど、体に必要不可欠な栄養素で、20種類のアミノ酸からつくられています。
その中でも9種類の必須アミノ酸は体内では生成ができないため、おもに食事から摂取しなければなりません。
特に朝の空腹時や運動後はたんぱく質が不足しているので注意が必要です。
たんぱく質の不足は、様々な体の不調を引き起こします。今回紹介した1日の必要摂取目安をもとに、朝・昼・晩の食事の中で、
良質なたんぱく質を含む食品を選び、動物性と植物性の両方のたんぱく質をバランスよく摂取
することを心がけましょう。