目を酷使する現代人に 目の疲れの改善方法

一日中、パソコンやスマートフォンの画面を見ていることが多くなった今、目の疲れは誰もが一度は経験することです。目の状態をチェックし、その原因を知り、目が疲れないコツを紹介します。

01こんな状態の目は注意!

こんな状態の目は注意!

テレビ、パソコン、スマートフォン…。21世紀を生きる私たちは、かつてないほど目を酷使しています。そもそも目は重要な感覚器官で、私たちが外界から受け取る情報のうち、80%は目を通して脳に送られているといわれています。社会の情報化・デジタル化が進むなか、目の役割はますます大きくなっています。

そんな私たちの大きな悩みが「疲れ目」です。私たちは毎日、目を酷使しています。目は疲労して「疲れ目」になりますが、休息や睡眠をとることで回復します。

目の疲れが気になる方は、次にご紹介する「チェックリスト」で、ご自身の目の状態を確認してみましょう。

チェックリスト

次のような状態が続く場合、目が疲労している可能性があります。

目の症状

  • 目がしょぼしょぼする
  • 目がかすむ、ぼやける
  • 普段よりまぶしさを感じる
  • 目が充血している

全身の症状

  • 肩こり、首のこり
  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 倦怠感

02なぜ、目は疲れるのか?目の疲れにつながる要因

仕事で長時間パソコンのモニターを見つめ、休憩時間や自由な時間にもスマートフォンでSNSや動画サイトなどのコンテンツを楽しみ、テレビ番組なども楽しんでいる私たちのライフスタイルそのものが目の疲れの要因になっています。

少し詳しく説明すると、目には毛様体筋という筋肉があり、毛様体筋が水晶体の厚さを調整することでピントを合わせています。例えば、遠くを見るときは毛様体筋が弛緩し、水晶体を薄くしてピントを合わせます。逆に近くをみるときは、毛様体筋が緊張し、水晶体を厚くしてピントを合わせます。

  • 遠くを見るとき
  • 近くを見るとき

つまり、パソコンの画面やスマートフォンの画面を見ているときは、毛様体筋が緊張している状態。私たちのライフスタイルは、一日中、毛様体筋を緊張させているため、目が疲れやすい状態にあるといえるでしょう。
具体的には、次のようなことが原因になっています。

画面との距離が近い

画面との距離が近い

目とパソコンの画面、スマートフォンの画面の距離が近すぎると目が疲れやすくなります。スマートフォンの画面は、パソコンの画面に比べるとさらに小さいので、目との距離がさらに近くなってしまいがちです。

長時間画面を見続けてしまう

長時間画面を見続けてしまう

仕事に集中していると、ついパソコン画面を長時間見続けてしまいます。またスマートフォンでSNSや動画サイトなどを見るときも、夢中になると、長時間見続けてしまいます。

03目が疲れないためのポイント

目の疲れを取り、目が疲れない方法やポイントを紹介します。

パソコンの使用環境を整える

パソコンの使用環境を整える

仕事でパソコンを使っている場合は使用環境をチェックしてみましょう。パソコンの画面の高さ、画面の明るさやコントラストなど簡単にできるところから見直すと良いでしょう。
画面は少し見下ろすくらいの高さにすると目が乾きにくくなり、疲れにくくなります。
画面の高さが調整できないときは、椅子の高さを調整してみてください。また画面が明るすぎるケースが多いので、パソコン本体、あるいはモニターの設定を調整してください。

画面との距離を空ける

画面との距離を空ける

パソコンの画面やスマートフォンの画面と目との距離を意識します。パソコンの場合は、最低でも50cm程度は距離を空けるようにします。スマートフォンは画面が小さいので、どうしても距離が近くなりがちですが、それでも30cmは空けるようにします。

意識的にまばたきをする

意識的にまばたきをする

パソコンの画面やスマートフォンの画面を見るときは、意識的にまばたきをするようにします。集中すると、まばたきの回数は減ってしまいます。まばたきが減ると、目の表面が乾燥しがちになり、目の疲労につながります。意識してまばたきを増やし、目の潤いを保つようにします。

定期的に休憩をとる

定期的に休憩をとる

定期的に目を休めることが重要になります。集中して仕事をしているときでも、できれば30分ごと、長くても50分ごとに10分程度、休憩をとって、目を休めるようにします。そのときには、外の景色を見る、軽く歩くなど、デジタルデバイスを使わないほうがおすすめです。「集中が途切れてしまう」と思われるかもしれませんが、意識して定期的に休憩をとった方が頭もクリアになるはずです。

目の体操

目の体操

休憩中に、目の体操を行うと、さらに効果的です。上下左右を見て、目を動かしたり、目をぐるぐる回すようにします。ただし大きすぎる動きは、目の中の硝子体というゼリーが動きすぎる場合があるので、軽めに行うのがおすすめです。

目のツボをやさしく押す

目のツボをやさしく押す

目のまわりには、以下のようなツボがあります。軽く押すと気持ちよく感じる部分を指の腹でゆっくり押すようにします。目(眼球)は押さないよう注意してください。

ツボ名 位置、作用
睛明
せいめい
位置:目頭と眉頭の間のくぼみ
作用:視力の回復サポート、目のかすみ、充血、痛みの軽減
太陽
たいよう
位置:こめかみのくぼみ
作用:目の充血の軽減
魚腰
ぎょよう
位置:眉毛の中央の上にあるくぼみ
作用:目の充血の軽減
瞳子髎
どうしりょう
位置:目尻の外側
作用:眼痛の軽減
四白
しはく
位置:頬骨の下のくぼみ
作用:目の充血、かゆみ、痛みの軽減

目のまわりを温める

目のまわりを温める

目のまわりを温めることも、目の疲労回復に効果があります。オフィスで目の疲れを感じたときは、休憩時間などに市販のホットアイマスクで目のまわりを温めると、目の疲れをやわらげると同時に、心身のリラクゼーションにもつながります。入浴時や就寝前に、蒸しタオルで目のまわりを温めるのもおすすめです。
また、瞼の中にはマイボーム腺という脂を出す腺があります。この脂は涙の成分に必要不可欠なもので、まぶたを温めることにより詰まった油を溶かし、ドライアイの予防になります。

蒸しタオルの作り方

  • 1濡らしたタオルを軽く絞って丸め、ラップで包む
  • 2600W目安の電子レンジで40秒ほど加熱する
  • 3必ず手で触れられるくらいまで冷まして使用する

眼鏡・コンタクトをチェック

眼鏡・コンタクトをチェック

眼鏡やコンタクトレンズを使っている場合は、定期的に検診を受けて、度数をチェックしてください。「見えづらくなった」「ピントが合わせにくくなった」などと感じたときは、度数が合わなくなっている可能性があります。
度数が合っていないと、目に負担がかかります。2〜3年で眼鏡やコンタクトレンズの度が変わることもあるので、定期チェックが大切です。
特にコンタクトレンズは近年インターネットで購入もできますが、検診を受けないと合っていない度数を使い続ける恐れがあります。パソコンを長時間使う場合には、パソコン専用の眼鏡を作るのも良い方法です。
普段使いの眼鏡と分けることで、仕事と日常の切り替えにもなります。

目にやさしい食材を取り入れる

バランスのとれた食事でしっかりと栄養をとりながら、目にやさしい成分が含まれた以下のような食材を取り入れましょう。

目にやさしい食材

アントシアニン
(ポリフェノールの一種)
視力低下や目の疲れ軽減

ブルーベリー、ぶどう、プルーン、赤たまねぎ、紫キャベツなど

アントシアニン

ビタミンA
ドライアイや目の老化の予防、
粘膜の潤い保持

豚・鶏レバー、うなぎ、ニンジン、カボチャ、ホウレン草など

ビタミンA

ビタミンB群
毛様体筋の疲労回復、
視神経の健康維持

豚肉、卵、モロヘイヤ、まいたけ、玄米、牛乳、アーモンドなど

ビタミンB群

ビタミンC群
目の充血の予防

ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、イチゴ、キウイ、グレープフルーツなど

ビタミンC群

十分な睡眠をとる

十分な睡眠をとる

十分な睡眠は、心身の疲労回復、そして目の疲労回復に欠かせません。忙しい毎日のなかで、十分な睡眠時間を確保するようにしてください。 最低でも6~7時間、理想は8時間程度の睡眠を心がけましょう。心身を休めることで、明日のエネルギーが生まれ、目の疲れの予防につながります。


04まとめ

目の疲れは、目を酷使する現代人には避けられないこと。
受験や試験勉強、仕事の繁忙期などで誰もが一度は経験することでしょう。
目の疲れをそのままにしておくと、勉強や仕事、さらには生活自体にマイナスの影響が出てしまいます。
今回ご紹介した予防策・対応策を使って、目の疲れを上手にクリアしてください。

今回ご紹介した予防策・対応策を使って、目の疲れを上手にクリアしてください。

この記事の監修者

川名 啓介

川名 啓介

かわな眼科 院長。日本眼科学会認定眼科専門医、医学博士。1999年筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学附属病院、日製日立総合病院、総合病院土浦協同病院勤務を経て、2006年から筑波大学大学院人間総合科学研究科眼科講師となる。2009年千葉県松戸市でかわな眼科を開設。患者さんにわかりやすい医療を提供することを目指している。

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