
毎日の健康維持のためにプロテインを摂取している方も多いことでしょう。
しかし、ご自身がどんなプロテインを飲んでいるのかをご存じですか?
プロテインの種類は3つあり、ホエイ・カゼイン・ソイのたんぱく質が使用されています。
当記事では、ホエイプロテインとはどのようなものなのか、また、その他プロテインの特徴や違いを紹介します。
01ホエイプロテインは牛乳由来のたんぱく質
ホエイプロテインは牛乳に含まれている乳たんぱく質です。乳たんぱく質には他に、カゼインたんぱく質があります。牛乳中に含まれているホエイとカゼインの割合はおよそ、2:8です。
具体的に、牛乳からできているヨーグルトの水切りを用いて、説明します。ボウルの上にざるを置き、ざるの上にキッチンペーパーなどを敷いてヨーグルトを乗せ、冷蔵庫の中で一晩水切りすると、ボウルの中に薄黄色の透明な液体が溜まります。これがホエイであり、乳清とも呼ばれます。
また、カゼインは、ざるの上に残った固形物に含まれています。
ホエイには、たんぱく質はもちろん、ビタミンやミネラルなども含まれています。ホエイからたんぱく質を取り出して粉末にしたものがホエイプロテインです
ホエイが液体であることからもわかる通り、ホエイプロテインは水溶性のたんぱく質です。水に溶けやすく、クセのない味わいで飲みやすいことも特徴として挙げられます。
02ホエイプロテインと他プロテインの違い
ホエイプロテインとその他プロテインの主な違いは、消化吸収のスピードにあるようです。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
種類 | ホエイ | カゼイン | ソイ |
---|---|---|---|
原料 | 牛乳 | 牛乳 | 大豆 |
消化吸収 スピード |
![]() |
![]() |
![]() |
ホエイプロテインの特徴

ホエイプロテインは、ソイプロテインやカゼインプロテインと比較すると消化吸収がスピーディです。
また、ホエイプロテインには、筋肉づくりに必要な必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
必須アミノ酸は体内でつくることができないため、食べ物から摂取しなければなりません。
必須アミノ酸がバランスよく含まれるホエイプロテインを取り入れることで、よりすこやかな体づくりを効率的にサポートしてくれるでしょう。
カゼインプロテインの特徴

カゼインは、ヨーグルトの水切りでざるの上に残った固形物に含まれていることを前述しました。
そのことからもわかる通り、カゼインプロテインは固まりやすい不溶性のたんぱく質なので、消化吸収のスピードがゆっくりです。
そのため、摂取したあとに満足感が得られやすい特徴があります。
ホエイプロテイン同様、牛乳由来のたんぱく質なので、必須アミノ酸のバランスも良好です。
しかし、消化吸収が早いのは水溶性のたんぱく質であるホエイプロテインなので、よりすみやかにたんぱく質を摂取したい場合は、ホエイプロテインがおすすめです。
ソイプロテインの特徴

植物性の大豆たんぱく質からつくられたソイプロテインは、カゼインプロテイン同様、ゆるやかに消化吸収が行われます。そのため、腹持ちがいいのが特徴です。
また、植物性たんぱく質には必須アミノ酸が不足しているものもありますが、大豆たんぱくには必須アミノ酸がバランスよく含まれており、吸収率が高いのもポイントです。
03ホエイプロテインの製法

ホエイプロテインには主に2つの種類があり、精製度合いによって「WPC(ホエイプロテインコンセントレート)」と「WPI(ホエイプロテインアイソレート)」にわけられます。
WPCは、たんぱく質含有率が70%程度にもかかわらず、安価で使いやすいため、広く流通しています。
一方、WPIのたんぱく質含有率は90%程度と高いうえ、脂質や糖質などの含有量も少なく、高価格帯であることが特徴です。
WPC製法 (安価) |
![]() 一般的なプロテインはWPC製法でつくられている ![]() WPI製法に比べて精製度合いが低いため、乳糖やたんぱく質以外の糖質、ビタミン、カルシウムなども含んでいる |
---|---|
WPI製法 (高価) |
![]() WPI製法のプロテインは、WPCよりも精製度合いが高く、乳糖が取り除かれているため、乳糖の摂取を控えている人も安心して摂取できる ![]() 高純度のたんぱく質が摂取できる |
WPC製法 (安価) |
![]() 一般的なプロテインはWPC製法でつくられている ![]() WPI製法に比べて精製度合いが低いため、乳糖やたんぱく質以外の糖質、ビタミン、カルシウムなども含んでいる |
---|---|
WPI製法 (高価) |
![]() WPI製法のプロテインは、WPCよりも精製度合いが高く、乳糖が取り除かれているため、乳糖の摂取を控えている人も安心して摂取できる ![]() 高純度のたんぱく質が摂取できる |
04ホエイプロテインやプロテインの摂取がおすすめなシーンや人
ホエイプロテインを摂取すべき最適なシーンはいつなのでしょうか?また、ホエイプロテインはどんな人に向いているのでしょうか?
ここからは、健康的な体づくりを促進するホエイプロテインの飲み方を紹介します。
運動直後のホエイプロテインは筋肉を増やしたい人に最適

運動後はさまざまな筋肉細胞が傷ついている状態です。傷ついた筋肉細胞はたんぱく質によって修復されるため、運動後はたんぱく質を摂取しましょう。
また、運動でエネルギーを大量に消費した体は飢餓状態にあるので、速やかに消化吸収されるホエイプロテインを取り入れるとたんぱく質の吸収率がアップします。
しかも、運動後45分以内は、筋肉づくりに欠かせないアミノ酸が筋肉へ運ばれる量が3倍にも高まるといわれています。
加えて、体内のアミノ酸がたんぱく質に変わって筋肉をつくる、たんぱく質同化作用は、運動後45分以内にピークを迎えます。
そのため、運動直後に消化吸収が早いホエイプロテインを摂取することで、筋肉づくりを大いに促進してくれるのです。
運動をしない日にもプロテインを

「プロテインは運動したあとに飲めば十分」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、運動後に傷ついた筋肉細胞が回復するには2~3日かかるといわれています。
そのため、筋肉の回復期間中にプロテインを摂取してサポートするようにしましょう。
運動をしない日にも、プロテインを摂取することはとても大切なことです。
プロテインの過剰摂取には要注意!

「たんぱく質が不足しているからといって、プロテインを過剰に摂取してしまうと、体内でアンモニアが大量に発生してしまい体臭につながってしまうこともあります。
また、他にもたんぱく質の過剰摂取によって腸内の悪玉菌が増え、臭いガスや便が出やすくなる恐れもあります。
体重や運動量に合わせた量を摂取するよう注意しましょう。
05プロテインを活用して健康的な毎日を
プロテインは健康的な体づくりをサポートしてくれます。
中でも、ホエイプロテインは消化吸収が早く、効率的に筋肉を増やしたい場合におすすめです。
しかし、プロテインだけを摂取するのは正しくありません。
適度な運動と栄養バランスのとれた食事を基本としながら、上手にプロテインを取り入れていきましょう。
この記事の監修者

奥美香子
ヒルズグレイスクリニック副院長。福島県立医科大学卒業。大学病院等で形成外科研修。都内美容クリニックにて美容皮膚科、美容外科診療に従事。2015年4月あざみ野ヒルズスキンクリニック開院。2022年3月より医療法人社団光悠会ヒルズグレイスクリニックを開院し、副院長に就任。また、美容医療業界大手の通販事業を営む株式会社ヒルズプレミアムの代表も務め、プロテインを始めとしたオリジナル商品の開発を行っている。