掃除って、意外と楽しいかも?
60代からの「小掃除」習慣
部屋を見渡して、「そろそろ掃除しなくては」と思いながらも、なかなか腰が上がらない。年齢を重ねると、長時間かがんだり、重い道具を出したりするだけでも負担に感じることがあります。そんなとき、掃除は「全部やるもの」と考えるほど、ますます面倒に感じてしまうものです。
でも、掃除は何も部屋中をピカピカにする必要はありません。たとえば、鏡をひと拭きする、蛇口を磨く、床のほこりをサッと取る。それだけでも、目に入る景色が少し変わり、「あれ、なんだか気持ちいい」と感じることがあります。
そこでおすすめしたいのが、1日に少しだけ取り組む「小掃除」。「今日はここだけ」と決めて、無理なく楽しむのがコツです。ほんの少し手を動かすだけで、暮らしは意外と気持ちよく整うもの。完璧を目指さず、自分のペースで心地よく続けられる小掃除の楽しみ方を、知的家事プロデューサーの本間朝子さんに教えていただきました。
小掃除は「全部やらなくていい」と決めることから
掃除が面倒に感じる大きな理由は、「やるなら最後まできちんとやらなければ」という思い込みがあるからかも。けれど、小掃除で大切なのは、家中を一度にきれいにすることではありません。
目につく場所をほんの少しだけきれいにして、「よし!今日はここまで」と潔くそこで終わりにすることです。
テーブルの上、玄関、洗面台の鏡のような目立つところだけを掃除すると決めること。小さく区切れば、掃除へのハードルはぐっと下がります。「全部できなかった」と自分を責めるのではなく、「ここが整ったからOK」と考えると、その日一日を気分よく過ごせます。
本間さんは、掃除はほんの数分でも十分だと話します。体への負担が気になる場合は、無理に一度に大掃除をするよりも、気づいたときに少しずつ整える方法もおすすめです。長くかがむ、背伸びをする、重い道具を出すといった動作を減らすことも、続けやすさにつながります。
掃除がラクになる考え方の切り替え
| 今までの考え方 | 「小掃除」の考え方 |
|---|---|
| 部屋全体をきれいにしなければ | 目につく1カ所だけ整えばOK |
| やり始めたら最後まで終わらせなければ | 5分たったら途中でも終わりにする |
| 毎日一通りきれいにしないといけない | 「ここだけ整った」で十分 |
スクロール
できます
1カ所きれいになると、気分も少し上がる
本間さんによれば、小掃除を楽しく続けるコツは、「すぐに変化が見えて、うれしくなる場所」から手をつけること。目に入る場所が一部でも整うだけで、部屋全体の印象がぱっと明るく感じられ、短時間でも達成感を得やすくなります。
目に入りやすくて成果が見える!おすすめ「速攻ポイント」
≪今すぐできそうなこと≫
- テーブルの上:出しっぱなしの紙類や小物をトレーや箱にまとめ、天板をサッと拭く
- 洗面台:蛇口の金属部分を乾いた布でピカピカに磨く
- 玄関:脱ぎっぱなしの靴をそろえ、砂ぼこりを払う
- キッチン:カウンターの端だけ物をどかして、サッと拭く
どれも一度にすべて実行する必要はありません。「今日は玄関」「明日はテーブル」というように、その日の気分に合わせて1カ所選ぶだけで十分です。蛇口の金属部分を磨くような小さな掃除でも、短時間でキレイになり、変化を実感できるので達成感につながります。
基本の床掃除は、「歩くついで」でOK
汚れが目につきやすい床も、全部をきれいにしようとしないことが大事です。床のほこりや髪の毛は、目につくところを少し取るだけでも部屋がすっきり見えます。そこで本間さんがおすすめするのが、重い掃除機を出す前に、歩くついでに軽いフローリングワイパーをかけることです。
フローリングワイパーは、押し入れや棚の奥にしまい込まず、手に取りやすい場所に立てかけておきましょう。替えシートを数枚重ねてセットしておくと、気づいたときにすぐ使えます。廊下を歩くついでにサッとひと拭き、テレビまわりだけ、ソファの前だけ。短い動きでも、ほこりがたまりにくくなります。高い場所や低い場所は、伸縮するハンディモップなどを使うと、無理な姿勢をとらずに整えやすくなります。
もちろん床は、思い切ってロボット掃除機にお任せするのも一つの手です。「毎日頑張る!」ではなく、「1週間で家全体がゆるく整えばいいや」くらいに考えると、掃除の負担感をぐんと減らせます。
ゲーム感覚・音楽・香りで、小掃除を少し楽しく
小掃除とはいえ、掃除が苦手な人にとっては、ほんの少しの手間も面倒に感じるものです。本間さんは、掃除を「やらなければいけない作業」ではなく、一つずつクリアするタスクゲームのように考える方法もすすめています。
タスクリストで「できた」を見える化
スマホのメモやカレンダーに「玄関」「テーブル」「床まわり」などと書いておき、その日の気分に合わせて1つだけ選びます。終わったらチェックを入れるだけでも、小さな「できた!」が見えて、明日もやってみようという励みになります。やる気が出ない日は、AIや家族に「今日はどこを3分だけ掃除する?」と相談するように、誰かに背中を押してもらう感覚を取り入れてもよいでしょう。
音楽で時間を区切る
好きな音楽やラジオを1曲だけ流し、「曲が終わったら掃除も終わり」と決めてみましょう。床をサッと拭く、テーブルの上だけ片づけるなど、短く終えるルールにすると、掃除が大ごとになりません。
タイマーで終わりを決める
5分だけタイマーをかけて、時間が来たら途中でも終了にするのもおすすめです。全部終わらせようとしないほうが、次の日も気軽に続けやすくなります。
香りで気分を切り替える
拭き掃除に使う布に、市販のアロマスプレーをひと吹きしてから拭くと、ほのかな香りが広がります。香りがあるだけで空間がすっきりしたように感じられ、掃除の時間が小さな気分転換になります。玄関や洗面所、テーブルまわりなど、短時間で済む場所から試してみるのもおすすめです。
※ペットを飼っている家庭では、アロマオイルやハッカ油の使用は避ける、または事前に確認してください。床や家具の素材によっては変色することがあるため、目立たない場所で試してからお使いください。
まとめ
掃除を「やらなければいけない家事」と考えると、つい面倒に感じてしまいます。でも、「自分が気持ちよく過ごすための小さな習慣」と考えると、見え方が少し変わるかもしれません。
床をサッと拭く、玄関の靴をそろえる、テーブルの上を片づける。そんな小さな掃除に、タスクリストや音楽、香りを組み合わせてみる。小さな工夫を楽しみながら、自分らしく年齢を重ねていくことも、ウェルエイジングの一つの形です。
まずは今日、目についた1カ所だけ。完璧を目指さず、気分よく過ごすための小掃除を始めてみませんか。続けやすいと思った方法は、スマホにメモしておくと、明日からの小さな習慣にしやすくなります。
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