
忙しい毎日の中で、朝起きるのがつらい、寝覚めが悪いと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、朝起きるのがつらくなってしまう理由や、朝に気持ちよく起きるための具体的なコツや行動をご紹介します。
01朝起きるのがつらい、起きられないのはなぜ?
「朝起きるのがつらい」「寝覚めが悪い」「なかなか起きられない」などと悩んでいる人は少なくないでしょう。
しかし、朝に目覚めるときは、脳が休んでいた状態から活発に活動する状態に変化するタイミングなので、つらさやキツさを感じるのは自然なことです。
まずは、朝起きるのがつらいことで悩んだり、自分を責めたりすることをやめてみてください。
そのうえで、なかなか起きられない原因は何なのかを知るために以下の項目をチェックして、生活スタイルを見直してみましょう。
そもそも睡眠時間が不足している

「朝起きられない」「しばらくボーっとしてしまう」という人は、そもそも睡眠時間が足りていないのかもしれません。
私たちに必要な睡眠時間は、1日に7〜8時間といわれています。しかし、忙しい毎日のなかでは、それらが削られてしまいがちです。
昨今では、眠りの質を高めることが重要であるとうたわれていますが、その前にまず、適切な睡眠時間を確保することが大切です。
お酒を飲むと眠りやすい?
「寝る前にお酒を飲むと、すぐに眠れる」と聞いたことがある方もいるでしょう。
しかし、お酒を飲んで寝た直後は深い眠りになるものの、寝ている間にアルコールが抜けていくと、眠りはどんどん浅くなります。
お酒は睡眠の質を下げてしまいますので、注意が必要です。
入浴をシャワーだけで済ませている

入浴時は湯船に浸からず、シャワーだけで済ませている場合、それが寝覚めの悪さにつながっているのかもしれません。
湯船に浸かると一時的に体温が上がり、その後、体から熱が放出されて元の体温まで下がります。体温が下がると、人は自然と眠くなります。
ただし、寝る直前に熱いお湯に入ると、交感神経が刺激されて眠れなくなってしまうこともあるので気をつけましょう。
ストレスを感じている

誰もが毎日、多少なりともストレスを感じているものです。
ストレスを溜めたままにしておくと、眠りが浅くなったり、なかなか寝つけなくなってしまいます。趣味や運動など、ストレス解消の手段を見つけることが大切です。
しかし、お酒でのストレス解消は、睡眠の質を下げてしまうので、ほどほどにしましょう。
02気持ちよく起きるためのおすすめ行動14選
朝起きるのがつらい理由や、目覚めが悪い原因がわかったら、毎日の生活の中でそれを解消していきましょう。さらに朝、気持ちよく起きるためのおすすめの行動を紹介します。
<日中の対処法>
適度に体を動かす
リモートワークが普及したこともあり、あまり外に出なくても済むようになった方もいるでしょう。
通勤時間がなくなったのはメリットですが、体を動かす機会が減ってしまったのはデメリットかもしれません。
日中は意識的に体を動かして、体を適度に疲れさせるようにすると、夜によく眠れるようになります。
また、運動はストレス解消にもつながるので、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
夕方以降はカフェインを取らない

寝る直前にカフェインをとると、入眠しづらくなることはよく知られています。
人によっては、カフェインの効果が長時間続く場合もあるため、寝つきが悪いと感じている方は、夕方以降はカフェインを控えるようにしましょう。
<寝る前の対処法>
寝る前のスマートフォンは控えめに

寝る直前までスマートフォンを見ていると、眠りが浅くなってしまいます。スマートフォンは目からの距離が近いため、強い光が眠りを遠ざけてしまいます。
寝る前1時間程度はスマートフォンを見ないようにしたいですが、難しい場合は、画面の明るさを落としてみてください。
比較的新しい機種であれば、「ナイトモード」「夜間モード」などの夜向きの設定があるので、ぜひ活用してみてください。
リラックスできる照明に

スマートフォンの光だけでなく、寝室の照明も明るさを抑え、リラックスできる空間を心がけましょう。
おしゃれな間接照明を取り入れて、落ち着いた寝室になるよう工夫をしてみるのもいいでしょう。
ストレスを和らげるよう工夫する

「今日はストレスを感じやすい1日だった」と思った日は、寝る前にハーブティーを飲んだりゆっくり映画を見てリラックスする時間をもうけましょう。
最近では、ストレス緩和する成分が入ったサプリメントも開発されているので、寝るまでにゆっくりとした時間がとれない場合はサプリメントを試してみるのもいいかもしれません。
夕食は寝る3時間前に
夕食は寝る3時間前までに済ませるようにします。眠る直前に食事をとると、内臓が消化・吸収のために働いているので、寝つきが悪くなってしまいます。
本来、睡眠中は壊れた細胞を修復したり、新しい細胞を作るための時間です。
寝る直前に食べ物をたくさん食べると、そうした活動が妨げられてしまうため、なるべく控えるようにしましょう。
お風呂は寝る2時間くらい前に

スムーズな入眠には、体の体温(深部体温)を下げることが有効です。
そのため、寝る2時間くらい前(少なくとも1時間前)にお風呂に入って、一時的に体温を高めましょう。
2時間後には上がった体温が下がり、眠たくなってくるはずです。
お湯の温度は、少しぬるめの38度〜40度くらいがリラックスできるのでおすすめです。
お気に入りの寝具を揃える
寝具を見直してみるのも一案です。枕やマットレスなどを変えるだけで、ぐっすり眠れるようになることもあります。
寝つきが悪い、朝起きられないという方は、お気に入りの寝具を探してみてください。
例えば、マットレスは硬すぎても柔らかすぎても体に負担がかかってしまいます。寝たときに体重を分散しやすく、寝返りが打ちやすいものを選びましょう。
枕の高さについては、男性や体格の良い人は高めの枕、女性や子どもは低めが適しているといわれているので参考にしてみてください。
<起きた時の対処法>
カーテンを開けて、朝日を浴びる

朝起きたら、まずカーテンを開けて、朝日を浴びるようにしましょう。 そうすることで起きた時間を脳に認識させ、15時間後には自然に眠くなるよう体内時計が調整されます。
好きな音楽をかける
好きな音楽をかける、ラジオを聞くなど、耳から刺激を送ることでも目が覚めていきます。
さまざまな音楽ストリーミングサービスでは、朝にピッタリな曲をセレクトして提供しているので、それらを利用するのもおすすめです。
また、音楽やラジオを聞くだけでなく、朝、お気に入りの曲を口ずさみながら起きるようにすると、より気持ちよく起きられるでしょう。
朝ごはんを食べる
少量でもいいので朝ごはんを食べるようにすると、体はより活発に動き出します。窓際で、朝日を浴びながら朝食をとるとより効果的です。 時間がない方は、野菜ジュースやヨーグルトなどの簡単なものでもよいので、なるべく朝ごはんを食べるようにしてください。
布団の中で身体を動かす

カーテンを開けたり、朝食を食べたくても、なかなか布団から出られない方は、布団の中で手や足を動かしましょう。
手をギュッと握ってから開くことを繰り返したり、足を上下にバタバタと動かしたり、体を左右にゴロゴロ動かすだけでOKです。
体を動かすことで体温が上がり、しっかりと目が覚めてきます。
休みの日も同じ時間に起きる

平日は忙しいので、「休みの日くらい遅くまで寝ていたい…」と思ってしまいます。
しかし、朝に気持ちよく起きるためには、休みの日も平日と同じ時間に起き、リズムを崩さないようにすることが重要です。
疲れている日は、遅く起きるのではなく、早く寝ることで睡眠時間を確保するように心がけましょう。
朝を楽しいことをする時間に

ギリギリまで寝て、バタバタと出かけていくあわただしい朝の時間を、自分のお気に入りのことをする楽しい時間に変えてみましょう。 眠るときに、朝目覚めるのが楽しみになるような、自分にとって有意義なことをする時間を設けてみましょう。
03それでも起きられない場合は病院へ
いろいろ工夫をしても、どうしても朝に起きられないという場合は、睡眠不足や睡眠の質の問題ではなく、何か心身に問題を抱えている可能性があります。
寝起きや睡眠状態が改善しない場合は、睡眠障害の治療を行っている病院などで医師に相談してみてください。
04楽しく、明るく、朝を迎えよう
朝起きるのがつらいと、1日のスタートをうまく切ることができなくなってしまいます。
朝、気持ちよく起きるためのコツや行動を紹介しましたが、「起きなければ」と自分にプレッシャーをかけすぎてしまうこともよくありません。
ひとつずつ、焦らず、リラックスして、できそうなことから始めてみてください。
この記事の監修者

水野泰孝
グローバルヘルスケアクリニック院長。日本感染症学会認定感染症専門医・日本小児科学会認定小児科専門医・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。外務省医務官、東京医科大学准教授・同大学病院感染制御部長などを歴任し、2019年より現職。外来では睡眠障害・不眠症の相談も行っている。
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